時々学生実験を見ないといけない。見るのはべつにいいのよ。教えることって、自分の勉強にもなっていいし。人に教えようと思ったらアイデアを整理して、こういう伝えかたをするとよりよく伝わる、とか分かってプレゼンのときの参考にもなる。そういうプロセスは私も好きです。しかしあなた。フィンランド人の学生さん達よ!いえ、文化の差があることは私も重々承知。ボスをファーストネームで呼んで、廊下の端っこから自分のところまでこさせて平気な文化。ボスと話すとき、ボスは立ちっぱなし、自分は椅子にだら〜っと座って延々ディスカッション、なんとも思わない人たちですよ。ええ、知ってますけどね!
どこの学生もおんなじ。実験前にプロトコルを読んでこない。これはいい。私もそうだった。しかしね。読んでない自分に非があることを認めようぜ。読んでこなくてすいません、とはちょびっとも思ってないのが腹立つ〜〜!そして書いてあることを自分で読まずにいちいち「次何?何すればいいの?」と人に聞いてラクしようとする。(そしてフィンランド人のアシスタントもいちいち丁寧にこれに答える)私は「そこに書いてあるし。読んで分からないなら喜んで質問に答えるけど、書いてあることを読みもせずにきてもお答えできません」とつれなくするので嫌われている。だいたい、一日にやることはすべて書いてある。それをいかに時間内に複数の実験を平行してやっていくか、というのもこの分野には必要なテクなんだよ。その時間配分もアシスタントが管理しないといけないなんて。めんどくさ!(しかしやらないと夜中まで帰れなくなる。)
当然プロトコルを読んでないので、そこの手順に「ここのくわしい実験方法はwebのどこそこにのっているので事前に調べてプリントアウトしてくるように」とあっても見事に誰もプリントしてこない。「プリントしてきた?」と聞くと「OF COURSE NOT」と答える。なんでやねん!!「すいません、読んでませんでした。プリントください、お願いします」やろ〜〜〜!!!
スーパーバイザーが声を張り上げて注意を促し、今日の説明を初めても聞いているのは半分くらい。聞きなさい、といっても友達同士話していたり、読んでこなかったプロトコルを今初めて読むのに必死で聞かない。なので同じ説明を何度も何度もしないといけない。
スーパーバイザーの言うことを聞きなさいと口を酸っぱくして言ったその午後、私が実験の詳細を説明するのに、私が受け持つたった5人を集めて説明する段になって、またあからさまに一人、ノートを書くのに必死で私の言うことを聞いていない。「ちょっと、今説明してるから、聞いてから自分のことをしなさい」と注意しても「聞いてたし」と。すねるので「じゃあ、いま説明したところを繰り返してみて」というと漫画のように間違った答え。「はい、聞いてなかったね。じゃあ、今のとこ聞いていた人、説明してみて」と他の子に説明させたけど。そのやり方がしゃくに触ったらしく無愛想だし。私も大人の対応できてないかもだけど、人が話しているとき話を聞く姿勢を見せるのは普通でしょ〜〜。いくらフィンランドでもね!
実験中、「この実験の結果はどんな結果になるの?」と聞く学生がいるので、
「今私がこれをすらりと答えてもいいよ。でもこの結果を予想すべきヒントはすべてここに書いてあります。読んだ?」
「まだ読んでない」
というので一度読ませて。
「読んだけど分からない」
というので、「最初から読んだ?」
と聞くと、最初の一番大事な導入部分は読まないで、実験手順のとこだけ読んだと。....どこ読むかも指定せなあかんのですか!?また導入部分を読ませてから
「分かった?どうなると思う?」
と聞くと正しい答えを自分で導けている。
「はい正解!読んで自分で考えたら分かるよね?」
というとうれしそうに笑って、教えかたがうまいとほめられた。いえ、これくらい言われる前にできていてほしいことです。アナタ、小学生じゃないんだから...。
追記
大学生の話です。しかも修士号取得目前の。